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こんにちは。みい@博士(農学)です。
5月も中盤を過ぎ、ブドウの開花がピークを越えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
ブドウ農家さんの場合、今時期は整枝(新しく出てきた枝の整理)、摘房(成らせる房の数の調整)、花穂整形(大まかな1房あたりの粒数の調整)、ジベレリン処理(種なし処理)とやること盛りだくさんですよね。
そこで今回は、ひとまず花穂(かすい)整形の作業についての備忘録です。
言葉は難しいですが、何かと言いますと1房あたりの粒数をザックリと調整する作業です。
これをしておかないと海外のワイン用のブドウのように1房が80cm近くの長いブドウがドンとできて、他の房に養分が行かなくなってしまいますので、忘れずに行っていきましょう。
具体的に花穂整形(かすいせいけい)とは?
一般的に売られているブドウは、1房あたり30粒程度です。
しかしながらデラウェアなどを除いて、蕾(花)がそれ以上につくので取り除いてあげる必要があります。
そこで、粒数調整の第1段階として、40粒から50粒程度に摘蕾(花)することを花穂整形と言います。
多くの品種、種なし・種あり問わずに必要な作業になります!
花穂整形のタイミングは?
緑色の粒々が蕾になります。
写真のように開花直前の蕾の頃から開花始め(ジベレリン処理前)に行います。
ここがねらい目です
ちなみにブドウの花が開花するとこんな感じになります。
満開ですね!
花穂整形の方法は?
大きく分けて、種あり栽培か種なし栽培かによって大きく異なります。
種なし栽培の場合
シャインマスカットや巨峰、安芸クイーンの場合は穂先の3.5㎝~4㎝を残して取り除きます(薬師寺 2017)。藤稔では3~3.5㎝が目安です。
すっきりしましたね。これで50粒くらいになっています。
その上に2つ丸で囲っている部分があります。
これは、ジベレリン処理を2回行う時に、どの房が終わっているのかの目印のためです。
ジベレリン処理が1回終わったら、丸の部分を1つ切り落とします。
種あり栽培の場合
穂先の部分を1㎝切り落とした後、巨峰で7~8㎝、ピオーネで6~7㎝残します(薬師寺 2017)。
ちなみにブドウ用のはさみに長さが書いてあるものを利用すると便利です。
おわりに
もしも花穂の先端が少し病気になっていて茶色かったりする場合は、切り落として使用します。
シャインマスカットは病気全般に強いのですが黒とう病には弱いので、雨よけ栽培でないと、病気の花穂も出がちになるかもしれません。
参考文献:
薬師寺博, 2017, 摘房と花穂の整形, 農業技術大系 果樹編 第2巻 技+23~技+30, 農山漁村文化協会編
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