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4月になるとタマネギもだんだん膨らんでいるのが見えてワクワクしますね(スミマセン北海道を除く作型の話になります)。
ですがこの時期
タマネギ(またはネギ)の葉が線状に白っぽくなってきた。
といったことはありませんか?
それはもしかしたら、ネギアザミウマによる食害の跡かもしれません。
本記事では、タマネギのネギアザミウマ被害の様子と、よく効く農薬をお伝えします。
葉だけの被害で、タマネギには被害がないと甘く見ていると、後で痛い目を見ますので、しっかり防除していきましょう!
ネギアザミウマ被害の様子
まずは代表的な食害の痕がこちらです。
白っぽい、縦の線のような傷が多数確認できると思います。
この症状を専門用語では、かすり状と呼びます。
ネギアザミウマの幼虫と成虫が葉の表面をなめるようにしていくので、このような痕になります。
どこにネギアザミウマがいるか?
このようなかすり症状があれば、ネギアザミウマがいると思われます。
しかしながら見つけるのが一苦労かもしれません。
それは小さな虫だからです。
体長は1.3㎜ほどしかないので、土と間違えてもおかしくない感じです。
少し細長くて、よく見ると動いています。
色は基本的には黒っぽく、夏場に淡い黄色になるものもいます(河合 1999)。
ネギアザミウマの防除方法
それでは早速、撃退方法についてですが、農薬の使用をおススメします。
見えているよりも、多くのアザミウマがついていることがありますのでしっかりと農薬を効かせていくことがポイントです。
農薬散布前
私のところでは、少し放置していたらこの始末です。
だいぶ、かすり症状が出てきてしまいました。
このようなかすり症状をみつけたら農薬を散布します。
使用農薬
ということで、今回はこちらの農薬を使用しました。
グレーシア乳剤です。
こちらのグレーシア乳剤は、即効性はもちろんのこと殺虫効果が2週間持続する(日産化学株式会社 2023)ということで、散布しておけば、しばらく安心です。
2000倍から3000倍に薄めて使用します。
適用作物も多く、適用害虫もアザミウマだけでなく、ハモグリバエやダニ類、ヨトウムシなど幅広く効果を発揮するので、1本ストックしておくと便利です。
農薬散布後
散布の翌日雨が降ったのですが、畝間にこんなにネギアザミウマが落ちていました。
アップにするとこんな感じです。水たまりにウジャウジャ落ちています。
ちょっと気持ち悪いぐらい、相当な数がいたということですね。
こちらの農薬は、タマネギでは使用回数が2回以内となっているので、切り札的な使い方がおススメです。
おわりに
タマネギの場合は、食べる部分ではない葉が少しくらいネギアザミウマにやられても問題ないと考えるかもしれません。
しかし、その傷ついた部分から病原菌が侵入し黒斑病や軟腐病の発生を助長することが報告されています(横田 2021)。
また、ネギアザミウマはアイリス黄斑ウイルス(IYSV)を媒介するので、いつの間にかウイルス病にも罹っていたということになりかねません。
早めの防除を心がけていきましょう!
参考文献:
日産化学株式会社 「約2週間の持続性」https://www.nissanagro.net/gracia/tokucho/index.php 2023年4月26日時点
河合章『農業技術大系』野菜編 第8-1巻 基+278の50~基+278の51 ネギの重要害虫と防除 1999年 農山漁村文化協会
横田啓『農業技術大系』野菜編 第8-2巻 基+214の2~基+214の8 ネギアザミウマ防除によるりん茎腐敗の抑制と収量増加 2021年 農山漁村文化協会
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