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梅雨入りしましたが、いかがお過ごしでしょうか?みい@博士(農学)です。
以前にアライグマが捕まったことをお知らせしました。
しかし、その他にもタヌキなどの足跡があり、やはり電気さくが必要ということで、設置しました!
そこで本記事では、電気さくの選定方法から設置方法について書いています。
これから設置を考えていらっしゃる方はご参考になさってください。
電気さくの仕組みは?
ひとまず簡単に、電気さくの仕組みについてです。
動物が電気さくに触れると、電流が動物の体から足、地面にぬけて、埋め込んでいたアースから電源装置に戻ります。
その時に約1秒間隔で衝撃電流が流れる仕組みです。
そこで痛い思いをして、近寄らないように学習させることが電気さくの目的です。
ちなみに、人が触れても静電気のような痛みということです(タイガー㈱、㈱末松電子製作所のカタログによる)。
電気柵の選定方法
電気さくの設置、撤収は簡単そうだし、ソーラーパネルなら電源もなくても大丈夫だから、少し興味がある、という方がいらっしゃると思います。
しかし、いざ買おうとすると、様々な商品が売られていますので、迷われるかもしれません。
そこで、必要資材を購入するにあたり、前提条件を確認していきます。
設置条件の確認
電気柵を設置する外周の長さ
まずは電気柵を設置する一周の長さを測ります。
何m分のさく線が必要なのか計算するためです。
おススメの巻き尺はこちらです。
普通のものだと巻き取るのが本当に大変なので、1本良いもの買うならこちらがおススメです。
対象動物の確認
続いては、圃場に来る動物が何か、対象動物は何かを明らかにしておきます。
圃場に来ている動物が何なのかによって、さく線の段数と高さが変わります。
以下は電気さくの段数の目安です。
- 小動物(アライグマ、ヌートリア、ハクビシン):3段~4段(10㎝~15㎝間隔)
- タヌキ:3段(10㎝~15㎝間隔)
- イノシシ:2段(15㎝~20㎝間隔)
必要資材の計算
上の設置条件を元に必要な器材の数量を計算していきます。
必要電線の長さの合計(総電線の長さ)
まず、さく線(電線)の長さは、段数をかけて計算します。
例えば、1周50mを3段だと最低150m+αぐらい必要になります。
必要支柱の本数
さく線(またはネット)を支えるために支柱を挿していく必要があります。
支柱の間隔目安は以下の通りです。
- 平坦な場所(圃場整備されている)で約4m間隔
- 平坦な場所(圃場整備されていない)で約3m間隔
- 棚田や斜面で約2.5m間隔
例えば、設置する1周の長さが50mだとして、3m間隔で支柱を立てるとすると、50m÷3mで最低17本必要ということになります。
支柱は、弾力性と耐久性がある漏電しにくい樹脂製のFRPを使用した、ガイシ付きFRP支柱がおススメです。
ガイシ付きでないポールを使用する場合には、ガイシを別途購入し、取り付ける必要があります。
入口の箇所数
入口をつけることができます。
入口の箇所数かける、さく線の段数で、入口用にひっかける資材の数を計算します。
例えば、電気柵の段数が3段で入口が1か所の場合、3段×1か所で3つとなります。
さく線ではなく、後述の電気ネットを使用する場合は、ゲートセットは不要です。
20㎝ほどのパイプや塩ビ管を2セット用意して、ネットが重なる部分と開けたときの場所に上が5㎝程度出るようにして地面に埋め込みます。
開けるときは、支柱をそのパイプの中に差し込めばOKです。
さく線もしくは電気ネットの選定
さく線、電気ネットにも種類があります。
中でも通電性の良いメッキ銅線が編み込まれているものがおススメです。
さく線の距離が長くなると、ステンレス線のみの場合、通電効率が低下してしまいます。
こちらのさく線は青色の化学繊維(ポリエチレンなど)が編み込まれており、動物の目で見やすい色となっています。
電気ネットを利用する場合は、支柱に固定するためにパッカーが必要な場合があります。
電源装置の選定
最後に電源装置を選定します。
上で計算した、総電線の長さ以上の出力があるものを選定します。
加えて、電源のタイプを選択します。
電池・バッテリー・ソーラー・ACアダプター(コンセント付き漏電遮断器セット)など様々あります。
例えば最大有効さく線距離が1500mで屋外設置のソーラーならば
最大有効さく線距離が3500mで屋外設置のソーラーならば
といった具合です。
その他確認事項としては
- 設置場所が屋内か屋外かによって防雨タイプかどうか
- 連続運転だけではなく、昼モード、夜モードの有無
このあたりを確認して下さい。
その他、出力間隔の調整機能の有無や、超強力出力のものなどもあります。
設置方法
資材が揃ったところで、早速施工編です。
除草剤の散布
早速、電気さくを設置したくなりますが、その前に準備があります。
それは、設置する場所に除草剤を散布しておくことです。
さく線が、草に接触すると漏電し、全体の電圧が下がります。
おススメ除草剤についてはこちらの記事を参考になさってください。
同様の理由で、大きな石や鉄パイプなどに接触しそうな箇所がないかも確認します。
防草シートの設置
続いて、電気さくを設置する部分に防草シートを張っていきます。
ホームセンターで売っている、幅の短い、薄手の透水性の高いものでOKです。
長期間、電気さくを張りっぱなしにする予定の場合や、電気さくの効果を高めたい場合はこちらの電線を織り込んだシートがおススメです。
メーカー発表の耐用年数は10年となっており、厚手です。
電気ネットを張る予定の場合は、電線入りのシートとネットが一体型になっている製品があるのでこちらがおススメです。
これでネットの下からのくぐり抜けも防げます。
防草シートの押さえには黒丸君とUピン、もしくは釘を使用します。
Uピンまたは釘の長さは15㎝から20㎝あれば十分です。
石が多い場所や硬い地面の場合は、釘を使用していきます。
Uピンだと石に当たると曲がって入りません。
それを、およそ1m間隔でハンマーを利用し打ち付けていきます。
支柱の設置
次に、ガイシが外側(動物側)になるように支柱を設置していきます。
まずは入口部分の両端に支柱を挿します。そこから、3mなら3mごとに(支柱の計算に使った間隔で)打ち込んでいきます。
地面が固いようであればあらかじめ、強めのポールで穴をあけておくとスムーズです。
さく線の設置
今回使用したのはタイガー㈱のFRP93というガイシ付き支柱です。
入口横は結び付けて、それ以降はガイシの溝にはめ込んでいきます。
ガイシ1つ1つににぐるりと巻きつけながら設置していきます。
一人で作業する場合は、巻き取り器を使用すると楽です。
今回は小動物対策のため、10㎝間隔でさく線を設置しています。
低く感じますが、動物の鼻先で触らせる、また下からのくぐり抜けを防止するためにはこの高さで設置します。
入口部分の設置
入口部分のゲートセットを取り付けます。
ひっかけてあるだけです。
上下の渡り線の設置
縦に繋いでいるのが渡り線です。
この上下の渡り線がないと、電源装置から出力コードを繋いだ、さく線にしか電気が流れなくなってしまいます。
設置個所は電源装置の近く、出入口の近く、その他はおおよそ100mごとに結んでいきます。
狭い圃場でも合計3か所以上設置します。
電源装置の設置
今回使用した電源装置はこちらです。
まずは、32φ以上のできるだけ太い杭(パイプ)を用意します。
手持ちにない場合は、こちらを購入するのもよいかと思います。
タイガー㈱製の場合は電源装置と設置杭を同時に購入することで盗難補償が1年から2年に延長されます。
これを電源装置の設置場所に打ち込んでいきます。
電源装置はバッテリーが入っていて結構重いので、深めに差し込んでいきます。
今回は入口横に設置しました。
これに本体を取り付けるための取付金具を取り付けます。
パイプを利用される場合はビス打ちします。
アースの設置
続いてはアースを設置していきます。
電源装置から延ばしていき、1m間隔で5個、地面から見えなくなるまでしっかりと打ち込みます。
ちなみに、アース線が付いている方が上です。
電源装置の設置
最後に電源と中の結線(差し込むだけ)をして本体にセットし、
取り付け金具に本体を差し込んで
さく線1本に出力コードを繋げば完成です。
なお、電源装置のひっかける場所が低いので斜めにならないように、本体の上の方をヒモなどで支柱に固定しておくと安定します。
危険表示板の設置もお忘れなく
電源装置のセットの中に付属しています。
通電チェック
最後の仕上げに、通電チェックを行います。
電源を入れた状態で、電源とは一番離れた場所に行って、電気が流れているかチェックします。
こちらの商品の場合、3つのランプが点滅すれば通電していると確認できます。
おわりに
簡単な説明でしたがいかがでしたでしょうか。
この電気さくを設置して1か月になりますが、今のところ効果がありそうです。
サクランボやプラムが色づいてきましたが、まだ無事です。
お困りの方はぜひやってみて下さい。
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