ニンニク栽培ー失敗から考える栽培の超重要ポイントー

ニンニクニンニク

突然ですが、ニンニクが順調に大きくなっていると思って収穫を迎えたら、なんさま酷か。

ニンニク 不結球葉状化

95%コレ(-_-;)はぁ

タマネギみたいになってる。分球しない。あっ、スポンジ球とか、不結球葉状化とかって呼ばれてるヤツだ。

不結球葉状化 ニンニク

失敗は成功の基ということで、本記事ではニンニク栽培の超需要ポイントを植え付けから振り返り、なぜ失敗したのかを検討します。

 

植え付け時のポイント(9月・10月)

まずは、植え付けからです。植え付けは9月から10月頃行われます。休眠が弱まるのがこの頃なので、遅れないようにします。

ニンニク 発芽

みい
みい

スーパーで買ったニンニクも10月後半にはこうなりますね。

 

この時期にやること

  1. 栽培期間が長いので、緩効性肥料が入った肥料を使い、畝を立てる。
  2. ニンニクを1片ずつに分け、小さいものや傷んでいるものを除く。
  3. 6㎝から8㎝とやや深く植え付ける。

と、ここまでは問題なくOKですね。

冬のポイント(1月・2月・3月)

ニンニク

そしてニンニク栽培の最重要ポイントがここです。ニンニクをニンニクらしい形にするには、やる気スイッチにあたる春化処理が行われていなければなりません。

何が言いたいのかというと、ニンニクはある一定期間の低温に当たらないと、側球(いわゆるニンニク)を分化しません

すなわち、冬が来たと認識し、次の段階である生殖生長にスイッチを切り替えさせることが大切です。そうしないと、春に花芽(にんにくの芽)と側球をつくる工程にシフトせず、株は十分な大きさで十分葉が黄色くなってきてから収穫しても、ニンニクを収穫することができません。

みい
みい

ただ疲れながら株を引っこ抜くだけになってしまいます。私のように(>_<)。つらい。

この低温というのは、5℃から15℃程度のことで、品種により低温・反応する日長が異なります。そのため品種選定が重要です。

暖地系品種壱州早生・上海早生・平戸 ほか

寒地系品種福地ホワイト六片 ほか

ざっくりいうと、西日本で栽培するなら暖地系品種で、東日本で栽培するならば寒地系品種が合うと思います。暖地系品種は六片種と比べてやや小ぶりで、外側が赤紫のような色になります。

余談になりますが、実は20℃以下の低温が必ずしも絶対要件ではなく、究極的には、20時間以上の長日条件ならば20℃以下の低温条件がなくても結球することが報告されています(青葉・高樹 1971)。

 

春のポイント(4月・5月)

順調ならば、冬に外観的生育が止まっていたニンニクが、再び生育を開始します。平均気温が10度ほどになる桜の咲くころに、花芽(にんにくの芽)の分化が起こり、ほぼ同時期にその下の側芽が成長して側球(ニンニク)になります。

メカニズムとしては、花芽が分化することによって頂芽優勢が失われ、花茎に近い2枚の葉の葉腋部(葉の付け根)に複数の側球芽の発生が促されます。そして、側芽は保護葉・貯蔵葉・繭芽葉にそれぞれ分かれ、貯蔵葉の著しい肥厚により、いわゆるニンニクになります。

ということで、ニンニクは葉の部分を食べていることになります。タマネギも同様に葉の部分(葉鞘)が肥大したものです。

この球肥大は15℃から20℃および、長日条件によって促されることがわかっています。そのため、昨年の秋から長いこと時間をかけて育ててきましたが、側球(ニンニク)のでき始めと肥大は収穫直前の1、2か月で行われるということですね。

にんにくの芽

ちなみに、品種によっては不抽苔となり、にんにくの芽が収穫できません。にんにくの芽を収穫したい場合は、抽苔する品種を選びます。ちなみに、福地ホワイト六片は抽苔しにくい品種なので、期待しないほうがよいでしょう。

抽苔する品種の場合は、抽苔した時に、にんにくの芽を取り除くことにより、側球の肥大が促進されます。

みい
みい

にんにくの芽は手で簡単にポキッと折れます。たくさん取れたら冷凍して保存しておきましょう。豚肉と炒めるとおいしいですよね(*’▽’)b。

 

収穫・乾燥

 

ニンニク

しっかりと乾燥させれば、夏ごろまでは日持ちします。それ以上保存する場合は、しっかり乾燥させたものを-2℃で保管しておくとさらに長持ちします。

 

おわりに

今年は暖冬で、とても過ごしやすい冬でした。

私の住んでいる地方では雪はおろか霜も降りませんでした。1月も2月も最高気温が20℃近くまで上昇した日が数日ありました。それゆえ脱春化が起こり、結球に至らなかったのではないかと考えています。

石橋ら(1991)の報告によると、長崎県において壱州早生・上海早生・平戸を比較したところ、平戸で不結球が多く発生した一方、壱州早生で少なかったとし、低温要求量の品種間差異が影響したと考察しています。またこの試験が行われた1988年は、1月の平均気温が例年より高かったことから、側球分化前の低温遭遇期間の不足も指摘しています。

沖縄など早出しする産地では、植え付け前に種ニンニクを一定期間冷蔵することで、春化処理を行います。

来年から、半分ぐらい保険でやってみた方がいいのかもしれません。品種についても来年の課題です。

 

近所の農家さんは、自家用に30㎏(1万円以上した)種ニンニクを植え付けていましたが、それが同様に不結球葉状化でパーになったそうです。そして、イライラしすぎて特別定額給付金の郵送書類に免許書・通帳のコピーを貼り忘れたそうです。

10万円もパーにならなければいいですが。。。

 

参考文献:

青葉高, 高樹英明(1971) ニンニクの球形成に関する研究(第3報). 園学雑. 403:240-245

青葉高, 高樹英明(1977) ニンニクの球形成に関する研究(第7報). 山形大学紀要.7 (4):423-438

石橋祐二, 梁瀬十三夫 (1991) ニンニクの不結球症に関する研究.  九農研. 53:189

タキイ種苗 (2013) タキイ最前線. 夏:63-66

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