トロピカルフルーツって何か良い響きがしませんか?
今回は、パパイヤ栽培を検討されているかた向けに、パパイヤの種まきから定植までをレポートします。
フルーツとしてだけでなく、熟さなくても若い果実はサラダやきんぴらで食べるとおいしいので、ぜひトライしてみてください。
パパイヤの種まき(播種から育苗)
パパイヤの生育適温は26℃から30℃で、地温も同様になります。
したがって育苗施設などで、地温をしっかり30℃近くに温め、播種します。
タネは市販されているもので大丈夫です。
以前栽培したレッドレディー(サカタのタネ)は鉢で越冬させ、そのままハウスの谷間に根付きこんなに大きくなりました(笑)
今回は関東で1月に育苗箱に種を播きました。覆土の厚さは0.5㎝から1㎝ほどです。
パパイヤの場合3、4日位では発芽せず、忘れた頃に芽が出てきます。
芽が出たところです。
本葉が出てきたところで9㎝もしくは10.5㎝ポリポットに鉢上げします。
ぱっと見たところ、ピーマンの鉢上げような感じですよね。
それが4月に入る頃にはいっきにパパイヤの苗らしくなります。
育苗期間が長いので、緩効性肥料のIB化成をポットに3粒から5粒程度入れておくと肥料切れを防ぐことができます。
また、鉢ずらしを行い、葉と葉がぶつからないようにポットを配置して管理します。
ですが、追肥や鉢ずらしをしても、この写真の大きさになると9㎝や10.5㎝のポットで育苗するのはもう限界ですね。
4月9日に、さらに大きな12㎝ポリポットに鉢上げしました。この頃には地温を下げて25℃ほどで管理し、定植に備えます。
パパイヤの植え付け(定植)
遅霜はもうこないと考え、天気の安定してきた5月3日に露地に定植しました。栽植密度は2m×2mほどです(熱帯地域では広めに4.5m×2mほどにします)。
ですが、用いた種が雌雄株不明の場合は、多めに定植しておき、雄株が多すぎる場合は後で切って栽植密度を調整します。
ちなみにパパイヤには単為結果性があるので、必ずしも受粉が必要ではなく、雌花だけで果実が実ります。
しかしながら、受粉させると結果率が上がり、肥大も良いことから全体の5%から10%ほど雄株があるとよいとされています。
露地栽培を行う場合はホットキャップや、写真のように風よけのあんどんを設置して定植完了です。お疲れ様でした!
おわりに
好適な条件下だと、種まき後5から6か月、本葉28枚目から34枚目で一番花がついて、その後の展葉ごとに花がつきます。
2021年の夏は暑いと予報が出ていますから、パパイヤの露地栽培には温暖化の恩恵が受けられる予感です。
参考文献:
石畑清武. (1999). 栽培の基礎 パパイヤ. In 『農業技術大系』果樹編: Vol. 7 (pp. 1–12). 農山漁村文化協会.
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